快く響く言葉
品詞の「形容動詞」と聞くと、中高時代の国文法を思い出し堅苦しいイメージを抱く方も多いかも知れませんね。少々ご勘弁を。形容動詞の表す内容はものごとの状態・性質なので「形容詞」と同じですが、文語文法での活用(ナリ活用)が動詞のラ行変格活用動詞と同型ゆえにこんな名称になっているようです(口語文法での形容動詞は、動詞とは似ても似つかない活用ですが)。
前置きが長くなりましたが、この頃なんとなく気になる言葉が形容動詞の「~やかだ」「~らかだ」です。軽やか、まろやか、爽やか、あでやか、おおらか、朗らか、高らか、など、耳にするだけで心が洗われるような響きの言葉たちです。調べてみると、「やか」も「らか」も、九州弁で耳にする「気持ちよか」の、「良か」が語源のようです。音として「ふくよか」に残っています。その「よか」が、女性的イメージの語に「~やか」、男性的イメージの語に「~らか」と分かれていったようです。ジェンダー意識はさておき、快く響く言葉が多いのも道理ですね。こういう素敵な言葉を子どもたちがたくさん覚えて、なめらかに使いこなせるしなやかな大人になってほしいです。